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老後がこわい老後がこわい
香山 リカ
講談社 刊
発売日 2006-07-19




必要な本 2006-09-26
巷にあふれている介護本、老後本の多くは、なんとなく背後に家族の存在を前提としたものが多いように思う。もちろん今のところはそういう人の数が多いからだろうが。

この本は、対象を一人暮らしの女性にしぼった介護や老後の本である。今までの汎用本に満足できなかった(女性に限らず)一人暮らしの人々には待ちに待った本だろう。

自分を弱者、敗者、少数者と卑下して、世間並みの介護話、老後話で満足するのではなく、自分の特殊性を理解し、情報を集め、自分独自の生き方を考えていくことが大事なのだと教わった。

一人暮らしの女性が、将来の老後を受け入れるために 2006-09-09
 社会論評を書いている精神科医としてでなく、一人の46歳の女性として老後の心配を記したエッセイ。

 仕事・家・お金・親の死・介護と不安は尽きないが、結論として「考えたくない」と拒否せずに、ぼんやりと考えつつも「なるようにしかならない」と今日一日を精一杯生きようと締めくくっている。

 このような知的な女性でさえそうなのだから、多くの凡人があたふた要らぬ心配をしたところで仕方ないのかもしれない、と悟りに近い心境にならされてしまう。

 読者の不安は消され、ホッとするかは別にして。

ドッキリしました 2006-08-05
最近、母親を亡くし、”後悔”という感情と”喪失感”と戦いながら過ごしています。ふと、「私ってひとりだ。将来はひとりで年をとり、孤独死、果ては無縁仏???」と不安になり手にとった本です。

お金の話、独身女の住宅事情の悪さ、自分の介護、葬儀、自分の親との別れの乗り越え方等々、気になるところを良く教えてくれました。

結局、「愛する人がいてもいなくてもなるようにしかならない。」これがメッセージでした。



引用の文章ですが、私にはこれが一番胸にストンとおちました。

詩人の茨木のり子さんの代表的な作品だそうです。

「じぶんの耳目

じぶんの二本足のみで立っていて

何不都合なことやある」



シングル女性の老後 2006-07-23
 「就職がこわい」「結婚がこわい」に続く、「こわいシリーズ」第3段。著者自身も含む、いわゆるシングル女性の老後はどうなるかについてである。

 確かに、今現在の情勢から推測すれば、未来は不安に見えてくるのは仕方のないとも言えるだろう。ただ20年、30年前の日本人が、今現在2006年のことを的確に予想していたのかと言われれば、そうとも言えない。

 人生どう転ぶかは誰にもわからないし、こわいこわいと不安を感じてばかりいるのもどうであろうか?


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